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カメラ初心者必見!必ず覚えておきたい写真の三原則

ユーザー体験をデザインするとはどういうことか? UXデザインの本質とは

憧れの一眼レフやミラーレスカメラを購入したけれど、思い通りの撮影ができない……という方は多いのではないでしょうか。カメラには便利な機能がいろいろと付いていますが、その使い方を覚えるのもなかなか至難の技です。

 

そこで、覚えておくと撮影スキルが格段にアップする、「マニュアル操作」「構図」「光の使い方」の三原則を、現役カメラマンが解説します。一見難しそうに聞こえますが、慣れてしまえば簡単です。これをマスターすれば写真の世界が広がりますので、ぜひ身に付けてください!

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「マニュアル操作」で、絞り、シャッタースピード、ISOを調整

マニュアル操作とは、モードダイヤルを「M」に合わせて、絞り(F値)やシャッタースピード、ISO感度を自分で設定すること。最初は少々難しく感じられるかもしれませんが、以下の3つのポイントを抑えるだけで、今までの写真が劇的に変化します。

01. 絞り(F値)

レンズからカメラに入る光の量を調整する部分を「絞り」といい、絞りの具合は「F値」という数値で表わせます。絞りの開き具合を調整することで、光を取り込む量をコントロールすることができるのです。

F値が小さいほど絞りが開き、レンズを通る光の量が多くなるので、明るい写真を撮ることができます。逆に、大きいほど絞りが小さくなり、光を取り込む量が少なくなるので暗い写真の撮影が可能です。

 

また、F値は明るさだけではなく「ボケ」にも関係しています。F値を小さくすればするほど背景がボケやすくなり、大きくすれば背景がボケにくくなる、ということです。絞りを調整することで、表現を自由に変えてみましょう。

▼F値8.0の場合。背景に軽いボケ感が出ています

▼F値1.8の場合。F値8.0に比べてより背景のボケ感が強くなり、明るさも増しています。

なお、背景がボケる仕組みは絞りを調整するだけではありません。カメラと焦点と背景の、3つの距離の関係性も重要です。

カメラから焦点の距離を近付ければ近付けるほど、背景はボケやすくなります。また、焦点から背景の距離を離せば離すほど、背景はボケやすくなります。絞りの調整をしてもボケ感が弱いようでしたら、撮りたいものと背景の距離を離してみましょう。こちらも理解しておくと、より自分の理想に近い「ボケ感」を出すことができます。

02. シャッタースピード

撮影していない間は、映像素子に光が当たらないようにシャッターは閉じています。撮影時にシャッターが開き、映像素子に光を当てている時間が「シャッタースピード」です。レンズを通った光の量を絞りとシャッタースピードでコントロールすることで、表現を変えることができます。

 

たとえば、シャッタースピードを遅くすると、動感があるものが撮れて写真は明るくなり、逆にシャッタースピードを早くすると、動感がないものが撮れて写真は暗くなります。

▼シャッタースピード1/50の場合。シャッタースピードを遅くすると動感があるものが撮影でき、写真は明るくなります

▼シャッタースピード1/1250の場合。シャッタースピードを早くすると1/50に比べて動感がないものが撮れ、写真は暗くなります

03. ISO感度

カメラが光をとらえる能力を「ISO感度」で表します。ISO感度を高くすればするほど写真は明るくなりますが、ノイズが出てしまい、写真の見栄えがザラザラして悪くなったりすることも。曇りや夜、室内撮影のときにISO感度を調整しましょう!

写真の主役は「構図」で際立つ

構図とは、写真の中で最も注目させたい部分を明確にする手段です。被写体を考えて配置することで、視線やイメージを誘導することができます。さまざまな構図を使い分けることで、より自分のイメージに近い写真を撮影してみましょう!

01. 日の丸構図

被写体を中心に配置する構図です。一般的で見やすく安定感はありますが、最も飽きられやすい構図でもあります。

02. 二分割構図

画面を2つに分割して安定感をアピールする構図。こちらはシンメトリーな写真に向いています。分割した水平線は平行にしないと不安定な写真になるので、注意して撮影しましょう。

03. 三分割構図

 画面を縦、横ともに3つに分割し、交わる点に被写体や背景の線を配置させることでスッキリと見せる構図です。区切りを決めてバランスよく配置することで、写真に安定感が生まれます。こちらも分割した水平線は平行にしないと不安定な写真になるので気をつけましょう。

04. 三角構図

写真の中で三角形を作る構図です。底辺が安定感をアピールし、長辺で見せたいものへと視線を誘導します。

05. 放射線構図

奥に向かって狭くなっていき、一点に収束することで奥行きを出す構図です。階段や道路など、直線があるところで活用することができます。

06. 対角線構図

水平線や対象物をあえて斜めに配置することによって、迫力を出す構図です。ありきたりな写真から抜け出せますが、なんでも斜めにするのは要注意。斜めにしても違和感のない被写体であるかどうかをしっかり見極めましょう。

写真が上達する「光の使い方」

写真を撮るには光がないと撮ることができません。光の特性を知り、光の向きを操ることがカメラ撮影において一番重要なことです。ここでは、光の向きを表す「順光」「斜光」「逆光」について解説しましょう。

01. 順光

カメラの背後から焦点に向かって、光源の光が差している撮影条件のこと。一番写真を撮りやすい光の向きですが、のっぺりとした印象でありきたりな写真になりやすいので注意しましょう。

02. 斜光

焦点に向かって、光源の光が斜めに差している撮影条件のこと。立体感と質感を出しやすい光の向きです。

03. 逆光

焦点の背後からカメラに向かって、光源の光が差している撮影条件のこと。焦点との明暗差が大きいため、どこを測って露出を決めるかによって仕上がりは大きく異なりますが、主要焦点に露出を合わせると、背景は露出オーバーになり、主要焦点が背景から浮き上がった印象の写真になります。

まとめ

ちょっとした撮影テクニックを使うだけで、今までとは違う魅力的な写真に仕上げることができます。難しそうだから……と諦めずに、まずは挑戦してみることが大切です。

 

基本的なマニュアル操作は、実際に撮影する中で思い出しながら使ってみるとよいでしょう。写真をパッと見たときに惹きつける被写体やポイントを考え、写真で何を伝えたいのかを明確にすることが上達の近道です。今回紹介した撮影方法を組み合わせて実践してみてくださいね!

 垰亮太

服飾専門学校を卒業後、フリーランスフォトグラファーとして活動。主にウエディングフォトやファッション撮影を得意として、さまざまな分野で活躍しています。

 

<露出メディア・受賞歴>

フォトテクニックデジタル優秀作品掲載。行列のできる相談所に写真掲載。

フジテレビ系列ユアタイム出演。