· 

今からできる個人サイトの作り方とメリット・デメリット

作業スペース・パソコン・ノート・スマートフォン

以前はプロバイダなどが無料でホームページ作成サービスを提供しており、その後ブログが主流になりましたが、終了するサービスが増えています。終了の心配がなく、自身のキャリアを宣伝したり創作物を掲載したりできるのが個人サイトです。CMSというサービスを使えば、テンプレートを選ぶだけの簡単な作業で、無料または格安で個人サイトを作成できます。

<目次リストを追加する領域>

今から個人サイトの作り方を知るメリットとは?

綺麗なワークスペイス

個人サイトとは、文字通り個人が運営するホームページを指します。明確な定義はありませんが、企業や団体ではなく一人か少人数で運営するホームページは、ブログも含めてほとんどが個人サイトです。

 

個人サイト作成が流行したのは、インターネットが普及し始めた2000年前後です。当時はグーグル(Google)のような検索エンジンがあまり使われていなかったため、電話帳のようなリンク集から個人サイトに移動する手段がメインでした。

 

高速通信がなかったこともあり、初期の個人サイトはデザインが簡素で、内容も写真や小説など自分の作品を掲載するものがほとんどでした。その後個人サイトはあまり作成されなくなりますが、現在はメリットが見直される傾向にあります

かつてはプロバイダなどがホームページ作成サービスを提供した

2000年頃の個人サイト作成ブームを支えたのは、ジオシティーズ(Geocities)やトライポッド(Tripod)といった無料のホームページ作成サービスです。ユーザーが作成したホームページに広告を掲載することで、運営企業が利益を得るシステムでした。

 

当時は次々と新たなインターネットサービスが登場し、2000年までは株式市場でもITバブルが続きました。接続業者であるプロバイダも数多く誕生し、付加サービスとして無料のホームページ作成サービスが提供されたのです。

 

しかし、中小プロバイダは統合されてサービスを終了し、無料のホームページ作成サービスも徐々に廃止されました。ホームページ作成サービス最大手だった日本版ジオシティーズ(Geocities)が終了したのは、2019年3月31日です。

日記形式のブログが人気を博すが衰退傾向にある

無料ホームページ作成サービスが人気を失ったのは、自分一人で運営する個人サイトではなく、日記のように簡単に作成できるブログが普及したことが一因です。また、ホームページ作成にはHTMLなどのプログラミング言語を覚える必要があり、ハードルが高いことも原因といえます。

 

ところが、2010年頃からスマートフォンで短い文章を投稿できるツイッター(Twitter)や、写真を共有できるインスタグラム(Instagram)などのSNSが普及しはじめ、文章や写真の投稿に手間がかかるブログ以上に人気を博しました。

サービス終了や仕様変更の心配がない個人サイト運営がおすすめ!

無料ホームページ作成サービスやブログが終了しても、SNSを使えば情報を発信することはできます。しかしSNSは大人数の交流を前提とするサービスであり、特定の個人がクローズアップされることはあまりありません。また、前述のように一部のコンテンツが規制される可能性があります。

 

個人サイトは自分一人のホームページですから、他人の情報に埋もれずコンテンツを発信できます。写真やイラストなどの作品に加えて、経歴紹介ページで人物そのものを知ってもらうことも可能です。レイアウトや色遣いなどのイメージも自由自在に決められるため、自分自身を多角的にブランディングできます

個人サイトはあなた自身をブランディングするツールである

セルフブランディング

無料ホームページ作成サービスやブログが終了しても、SNSを使えば情報を発信することはできます。しかしSNSは大人数の交流を前提とするサービスであり、特定の個人がクローズアップされることはあまりありません。また、前述のように一部のコンテンツが規制される可能性があります。

 

個人サイトは自分一人のホームページですから、他人の情報に埋もれずコンテンツを発信できます。写真やイラストなどの作品に加えて、経歴紹介ページで人物そのものを知ってもらうことも可能です。レイアウトや色遣いなどのイメージも自由自在に決められるため、自分自身を多角的にブランディングできます。

個人サイトにキャリアを掲載して名刺代わりにできる

個人サイトに経歴紹介ページを設ければ名刺代わりにできます。芸能人や政治家と同様に個人サイトを持つことで権威性が高まりますし、サーチエンジンにも独立したホームページとして認識され、上位表示される可能性が高まります。

 

経歴紹介ページの設置は単なる自分のキャリアアピールではなく、今後の人脈作りや仕事の依頼に結び付く手段です。また、学歴や職歴に加えて現在の興味関心や趣味も掲載すれば、訪問者に親近感を持ってもらえます。

小説や二次創作の掲載にも個人サイトがぴったり

レイアウトやカラーリングもカスタマイズ可能で、全てを自分自身の思い通りに表現できる個人サイトは、インターネット上のオフィスのようなものです。自分で撮影した写真や描いたイラスト、小説などの作品を掲載し、ギャラリーのようなホームページにすることもできます

 

先程述べたように、SNSでは突然ルールが変更されて、それまで投稿できていた作品が規制されることがあります。ホームページのレイアウトなどにも制限があり、他人の作品と並んで掲載されるため、店の一部を間借りする状態です。個人サイトならば、ホームページ全体が自分の作品になります

 

当然ながら個人サイトにも法律を守る義務はあり、原作者が認めない二次創作を掲載しないなど注意点はありますが、SNSより自由度が高いことは間違いありません。

個人サイトはサーチエンジン最適化にも有利

無料ブログやSNSはホームページの一部を間借りするため、サーチエンジンが特定のユーザーを認識しにくくなります。一方で個人サイトは独自ドメインを取得すれば独立したホームページとして認識されますし、後述のCMSの利用によりSEO(サーチエンジン最適化)も自動的に行われます

 

正確な情報は非公開ですが、グーグル(Google)がホームページを上位表示する判断基準として、情報の正確さに加え著者の信頼性も問われるという説があります。個人サイトの経歴紹介ページに著者の詳細な情報を記載することで、信頼できる人物だと判断されてSEOに結び付くと考えられます。

個人サイトを簡単に作れるツールの探し方

ホームオフィスで作業を行っている女性

個人サイトなどホームページを簡単に作成できるツールが、CMS(コンテンツ管理システム)です。CMSではコンテンツの作成と管理をグラフィカルな画面操作により行えますし、ホームページのデザインもテンプレートを選ぶだけで簡単に決められます。

 

本格的なホームページ作成にはHTMLやCSSといったプログラミングの知識が欠かせませんし、CMSによる個人サイト作成の際もHTML等を記述できたほうが自由度が高まります。しかし、簡単な経歴紹介ページや趣味のホームページなら、知識がなくてもCMSで作成可能です。

基本料金は無料で有料プランへのアップグレードも可能

多くのCMSは無料で利用できますが、機能制限や広告表示というデメリットがあります。ただ、いきなり有料プランを契約するのはハードルが高いですから、いくつかのCMSを無料プランで利用して使い勝手を比べ、気に入ったCMSを有料契約するという手順をおすすめします。

 

主なCMSの税込月額料金は以下の通りです。いずれも無料プランが存在します。

  • ジンドゥー(Jimdo)… 990円(STARTプラン
  • ウィックス(Wix)… 990円(ベーシックプラン
  • ワードプレス(WordPress)… 900円(プレミアムプラン
  • ストライキングリー(Strikingly)… 8ドル(1ドル100円換算で800円、リミテッドプラン

テンプレートを選ぶだけで個人サイトを作れる!

CMS最大のメリットはテンプレートを選ぶだけでホームページを作成できることです。具体的には、「明るくカラフルなデザイン」「ビジネスに適したシンプルなレイアウト」など、CMSが提示するイメージから選択します。

 

訪問者の利便性向上のために見やすいレイアウトと色遣いにすることが重要ですが、個人サイトの場合はホームページのデザインが自分自身のイメージに直結しますから、自分をどう表現したいかを考えてテンプレートを選びましょう。

 

先程紹介したCMSの特徴を掲載します。

  • ジンドゥー(Jimdo)… テンプレートの種類は少ないが文字や画像のカスタマイズが簡単
  • ウィックス(Wix)… 目的・業種別テンプレートが用意されている
  • ワードプレス(WordPress)… テーマと呼ばれるテンプレートをユーザーが作成可能
  • ストライキングリー(Strikingly)… テンプレート選択後にセクションを組み立てる方式

ビジネスから趣味まで幅広く使える個人サイト

個人サイトはビジネスから趣味まで幅広い用途に利用できるホームページです。前述のように経歴紹介ページを設ければ名刺代わりになりますし、過去の仕事内容を紹介するポートフォリオのページを掲載すれば、転職活動やフリーランスとしての新しい仕事の受注にも結び付くでしょう。

 

イラストや文章などの作品を掲載する趣味の個人サイトを作成すれば、ホームページ自体が著者の人格として捉えられるようになり、著者と作品の双方の知名度を高められます。また、CMSのテンプレートを選ぶ際は、ビジネスと趣味のどちらに重きを置くかも考慮しましょう。

個人サイトで自分をプロデュースしよう

個人事業主のキャラクター

ここまでは個人サイト作成のメリットを取り上げましたが、SNSほどは気軽に投稿できず、ある程度プログラミングの知識が必要となることはデメリットといえます。CMSなら簡単にホームページを作れますが、細部のカスタマイズはHTMLやCSSのコードを編集しなければ行えません。

 

また、サイト内で注目されればフォロワーが増えるSNSと違い、個人サイトは検索エンジンで上位表示されなければPV(ページビュー)が増えません。SEOの手法を学び、PVを増やす努力をすることが必要です。

 

個人サイトは自分の経歴紹介ページや作品を掲載して自分自身をプロデュースする手段ですが、そもそも興味を持たれなければアクセスされません。個人サイトを運営するだけで満足せず、SNSでの発信も併用して訪問者を増やす工夫を行いましょう。